採寸の難しさ。

久しぶりにミスりました。

この業界に入って39年。オーダーシャツの採寸を初めてからは36年くらいになりますか。大学卒業して入社したのがテイジンメンズショップでそこでは既製品しか扱っていなく、そこから東京の和田屋さんに移ってオーダーシャツの採寸もたまにするようになってからですから。採寸というものを初めて35~36年といったところでしょうか。

今回はもともとある程度の体格のあるお客様。ご病気やコロナ感染なのでお痩せになり、今回お痩せになった分だけ採寸をし小さく作ったわけです。勿論全て採寸しました。

今回お腹が極端に小さくなったので、バストとウエストの差ができたわけなのですが、基本的には細くなれば細くした分だけ小さくして問題はないはず。お客様からちょっときついというご連絡。

ご来店を頂き改めて採寸をしましたが、出来上がるまでにひと月。少し体型は戻されてバストとウエスト周りが1センチ大きくなっていました。それでもそんなに小さくは感じないはずだ。と思ってご着用頂いたのですが、確かに私が見ても小さく感ずる。採寸は間違っていない、出来上がりのサイズも間違っていない。どうしてだ?

暫く考え込んでしまいました。お痩せになっても骨格は変わらないので、お腹が小さくなった分、バストとウエストの差がついてカーブがきつくなったわけです。それでバストはほぼあっているのですが、骨格は変わってないので、バストの下の部分が余裕がなく張って感ずるようです。シャツのカーブはきつくなっているのですが、体系的にはお腹だけくぼんでいる感じ。つまりお腹だけが。そこで急カーブを描いたせいで肋骨の下辺りがきつくなったというわけです。

以前にも一度あったのです。バストとウエストの差が激しいお客様。その方は最初にダーツを入れていたので、そのダーツの入れ方を少し下の方からスタートすることによって解消しました。

結局数値で現れない部分は体験や経験しかないのですよね。いつまで経っても勉強かな?と思った一日でした。

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NO-814 小さなひし形が並んだジャガードの白生地 イタリア ALBINI アルビニ社製 綿100% お仕立て上がり24,200円(税込)

何千人のお客様のシャツをお作りしてきました。ただこのような体型の方はほぼいらっしゃらないとは思いますが、これからも真面目にシャツ作りに取り組んでいきたいと思います。

ちなみに女性の場合はバストとウエストの差はもっとあります。ただ女性の場合はそれを解消する為にバストダーツを入れて対応をしていますので、このようなことが生ずることはないと思っています。

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